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お久しぶりです。 >>
祭囃子と神隠し。
2010-08-26 22:58:23  | コメント(2)

 からん、ころん。

 足元で音が鳴る。
 着なれない浴衣、履きなれない下駄。
 遠くで鳴る花火の音。
 隣を歩くのは鬼のお面をかぶった男の子。

 ひたり、ひたり。

 地面をこする雪駄の音。
 まるで足音を立てる事を嫌うように。

 夜店も絶えて、人も絶えた。
 歩くのは二人だけ。
 この道はどこに続くのか。
 夜目にも赤い、鳥居が続く参道を手を繫いで黙って歩く。

 からり、ころり、ひたり、ぺたり。

 聞こえるのは足が立てる二人分の音ばかり。
 祭囃子は何処へ行った。
 気付けば花火ももう見えない。
 不意に手を離されて。
 驚いて見れば、お面の向こう、金色の瞳が小さく笑った。

 ここはどこ?
 あなたはだれ?

 問いかける前に訪れるは夜の帳(とばり)。
 知らない人について行っては駄目、なんて子供だけの話だと思っていたの。
 そんな事するほど子供じゃないと思っていたの。

 ── 神隠しの噂を思い出した時には遅かった。
 
 もう動かない少女を見下ろし、ごちそうさまと『ナニカ』は嗤った。


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絵に合わせて5分で書いた小話でした☆
前回(正確には二つ前)の『終の棲家』のイメージ画からも小説にアクセスいただいたのか、うちの短篇にしてはたくさんのアクセスを頂いておりました。
この場を借りて御礼申し上げます(^‐^)


>タチバナ ナツメさま

はわわ、なんか誉めて頂いている…!Σ(´▽`;)
実は結構、画像に小話をつけるの好きなんです。
その場で即興でさくさく書くので、文章というよりは一場面だけの詩のようなものになっちゃう事が多いのですが(笑)
和風ホラーは情緒があっていいです♪

これはまだまともにお絵かきしてた頃の絵です。
この頃はよくお絵かき掲示板(FT系中心)にお邪魔しては描いておりましたw
5年以上前の話です…(ノw`;)
投稿者:宗像竜子  [ 2010-08-28 00:32:25 ]


わわわ、何てハイセンスな……!!!
全体的なリズムが小気味良いですねー^^
思わず声に出して読みたくなるようなショートストーリーです♪
最後まさかホラーな感じに繋がっていくとは思いもしませんでした!

イラストの男の子も雰囲気出ててすごくいいですね♪
投稿者:タチバナ ナツメ  [ 2010-08-27 04:13:06 ]